宮本伸一のブログ

地域の「防災力格差」解消を

文京区防災行政無線

私は地域での防災活動を通じて、大地震などの災害に対する不安のお声を、さまざま伺ってまいりました。
あの東日本大震災から8年、悲しい記憶から貴重な教訓を学び取ろうと、防災の取り組みは大きく前進したと思います。
しかし、地域ごとで見た場合、防災力がまんべんなく向上しているかといえば、そうとは言い切れない現状がございます。

防災無線の聞こえ具合を調査

2月20日、Jアラートの試験放送が、文京区の防災行政無線を使用して行われました。
この防災行政無線の屋外スピーカーについて、かねてより「聞こえない」「聞こえづらい」とのお声が、数多く寄せられていました。
そこで、この日、音羽・大塚・千石・本駒込・白山エリアを中心に、60人の方にご協力いただき、防災行政無線の「聞こえ具合調査」を行いました。
その結果は、驚くべきものでした。

内容が分かった方は、60人中、わずか8人で、全体の13%にすぎません。
87%にあたる52人の方が、内容を聞き取れませんでした。
しかも、62%の方は、まったく聞こえすらしませんでした。

文京区には、電話で、防災行政無線の放送内容を確認することのできるシステムもございますが、そもそも放送されたことすら気付けなければ、電話での確認が必要かどうかさえ、分かるはずもありません。

戸別受信機や防災ラジオの無償貸与を

防災行政無線の聞こえ具合は、区民の命にかかわる問題です。
地域における「防災力格差」は、早急に解消されるべきです。
そこで私は、次のような提案をしております。

まず、防災行政無線の聞こえ具合を改善し、地域間における格差を、可能な限り解消することです。

そして、改善の必要性を検討するにあたり、防災行政無線の聞こえ具合に関する実態調査を、全区的に実施すべきです。

その上で、時間や場所を問わず、文京区に関係する緊急情報を、即時的に受信できるよう、「文の京」安心・防災メールを活用するなどして、防災行政無線の内容を、メールやSNSで配信すればよいと思います。

さらに、携帯電話などを持たない高齢者やメールを読めない視覚障がい者、さらには聴覚障がい者のために、音声と文字を同時放送できるような、防災行政無線の戸別受信機、あるいは防災ラジオの、無償貸与を提案します。
防災ラジオは、緊急情報を自動受信して放送するものです。
高齢者や障がい者に情報格差が生じないよう、最大限に努めるべきです。

これらについて、私は3月7日、成澤文京区長に申し入れ、実現を強く訴えさせていただきました。

避難所の収容能力

さらに、防災力の地域格差といえば、「避難所」を挙げなければなりません。

ここ東京では、今後30年以内に、マグニチュード7以上の首都直下地震が、70%以上の確率で発生するといわれています。
この首都直下地震が発生した際、発生から2週間後で、最大720万人の避難者が出ると試算されています。
ところが、避難所の現状は、どうでしょうか。

日本女子大学の皆さまの調査・研究によれば、避難所の収容可能人数に対して、避難所生活者の数が上回ると予想される避難所は、文京区内で21カ所にも及びます。
あふれる人数は300人から900人が3カ所、1000人以上が2カ所とされています。
加えて、帰宅困難者を受け入れることにもなります。
劣悪な環境となるであろうことは、容易に想像できるかと思います

避難所に民間施設等の活用を

そこで私は、区立の小・中学校だけではなく、民間施設や区が所有する施設を、避難所に活用するよう提案しております。

避難所に、民間施設や、指定管理者が運営している区の施設を活用するためには、トラブルがあった際の法的責任など、クリアしなければならない問題もあります。
しかし、首都直下地震の発生率を考えれば、待ったなしの課題です

私は、都議会議員や国会議員にも働きかけ、この避難所の問題をはじめ、地域の「防災力格差」解消へ、全力を挙げてまいります。

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