宮本伸一のブログ

決算審査特別委員会(2021年10月)その1

こんにちは。令和2年度文京区決算に対する審査特別委員会が開催され、公明党を代表して、田中かすみ議員とともに参加させて頂きました。

今回と次回に渡り、私からの質問とそれへの答弁をいくつかご紹介いたします。

まず、今回は、総括質問とそれへの答弁をご紹介します。(全部で3回に分けて掲載します)

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○宮本:

公明党文京区議団を代表しまして、総括質問をさせていただきます。 令和2年度は、「文の京」総合戦略を実施する初年度としてスタートしましたが、ほぼ同 時に新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まりました。経験したことのない世界的なパ ンデミックの中を、国、都と連携し、専門家の意見を聞きながら、その時々において最善と思われる対策を採り、区民の皆様と連帯して、コロナ禍の中を進んでまいりました。 区では、様々な緊急施策を展開し、区民への影響をできるだけ少なくできるよう取り組ん でまいりました。令和3年度に入ってからですが、コロナ対策の切り札と言われたワクチン 接種を、全庁挙げて推進し、9月30日時点では、区民の69.9%の方が2回目のワクチン接種が完了できています。 私たち公明党も、これまでの感染対策、経済支援、ワクチン接種などに全力を挙げて取り組んでまいりました。そして、今度は1日も早いコロナ禍からの再生と、誰もが希望を持ち、 安心して暮らせる日本の未来のため、新たな挑戦を開始したところです。

初めに、コロナ感染症に関連して取り組んだ事業について伺います。

まず、感染された方への対応、支援はどのように行われたのか。区の取組を伺います。初 期の段階から、様々な対応をしていただきました。保健所の職員の方を中心に、流動体制も 採り、対応しました。感染者への相談体制、支援内容、人員の体制について伺います。今後 も変化を見込んだ対応が必要と考えます。併せて見解を伺います。

次に、感染拡大防止のための取組は、どのように展開されたのか伺います。特に、PCR 検査は、医師会の御協力もいただき拡充ができました。また、ワクチン接種体制も、順次拡 充しました。それぞれの成果を伺います。

また、医師会、医療従事者の方々の御協力をいただいた人数を伺います。 3回目のワクチン接種について、国で検討されています。区の対応について伺います。 次に、コロナ禍を受けて取り組んだ支援策について伺います。 国の事業として実施した特別定額給付金の取組は、コロナ禍を乗り越えるための国民の連帯感を生み、喜びの声が広がりました。しかし、一方では、開始当初から、デジタル化の遅 れなどが顕在化して、混乱もありました。給付金事業の成果と、顕在化したデジタル化の遅 れを解決するため、区としてできることは何か、見解を伺います。

コロナ禍にあって、障害福祉サービス、介護保険サービスの事業者が大きな影響を受け、 区では、基盤維持支援を実施しました。成果を伺います。

また、コロナ禍の中で、今後の経営維持をどう支えるのか、見解をお伺いします。

シルバー人材センターが実施したシルバーお助け隊事業補助に経費を助成しました。買い 物代行、またワクチン接種の予約代行にも取り組みました。成果を伺います。

低所得のひとり親世帯への臨時・特別の給付金を実施しました。国の事業ではありますが、 収入が急変した方への周知が重要です。給付の成果と周知の取組について伺います。

次に、生活に困難を抱える方への支援について伺います。

国の住居確保給付金制度については、支給対象者の拡大などが実施され、利用者、申請者 が増加しました。成果を伺います。

対象にならない方をどう支援していけるのか。課題と対策を伺います。

次に、コロナ禍での災害対策について伺います。 感染症対策を採りながらの避難所運営のため、スピード感を持って対応し、備蓄物資を整備しました。整備状況を伺います。

次に、一般会計歳入について伺います。 特別区税、特別区交付金、地方消費税交付金の増減要因をどのように分析しているのか伺います。

また、コロナ禍を受けて、今後の見通しは厳しいと考えます。見解を伺います。 ふるさと納税の影響も引き続き対応が必要です。併せて伺います。

次に、「文の京」総合戦略に掲げる主要課題の解決に取り組んだ事業について伺います。

特定不妊治療に係る支援について、区では、不妊治療費用等の助成を行いました。私たち会派にも、多くの御相談をいただいています。成果と今後の取組を伺います。

文京区版ネウボラ事業は、コロナ禍においてどのように取り組まれたのか。実績と今後の取組を伺います。

乳児家庭全戸訪問事業について伺います。 コロナ禍にあって、一人一人に寄り添う支援が必要な御家庭が増えています。令和2年度は、個別電話相談に切り替え実施しましたが、成果を伺います。 感染拡大防止のため、Zoomなどオンラインを活用したサロンなどの取組を、助産師会の方が実施しましたが、喜びの声があったと聞きました。区は、こうした事業を積極的に支 援するべきと考えます。見解を伺います。

医療的ケア児への支援について伺います。

区立保育園、私立保育園で、医療的ケア児の受入れが始まりました。文京福祉センターで は、未就学児の日中活動の場を開始し、2名を受け入れました。また、児童発達支援センタ ーでの受入れ体制の整備、また幼稚園・学校での医療的ケアの実施体制を検討しました。今 後の実施予定を伺います。保護者から、支援の拡充を求める切実なお声をいただいています ので、早急に取り組んでいただきたいです。

児童虐待防止対策事業について伺います。

児童虐待の発生を未然に防止するため、養育困難な家庭を対象に、家事や育児を援助する 育児支援ヘルパー派遣事業を実施しました。成果と今後の課題を伺います。

コロナ禍を受け、このような取組が一層必要と考えますが、見解を伺います。

次に、子どもの貧困対策について伺います。 コロナ禍を受け、経済的な困難を抱える御家庭の子どもたちへの支援が一層必要になっています。生活困窮世帯への学習支援事業では、一部オンライン授業も導入しました。また、 高校生世代等と保護者を対象に、学習面の支援に加え、進学や就職、再就学など、進路選択 への支援を行いました。成果と今後の取組を伺います。

また、奨学資金給付金事業、塾代等助成事業は、経済的な困難にあっても、子どもたちの学ぶ機会を確保する事業として重要です。成果と今後の取組を伺います。

子ども宅食プロジェクト事業では、コロナ禍を受けて、緊急支援・臨時便・増量便をスピ ード感を持って実施しました。利用者からの喜びの声をいただいています。成果と今後の取組を伺います。

教育情報ネットワーク環境整備について伺います。 1人1台のタブレット端末と高速大容量の通信ネットワークの環境の整備を行いました。

コロナ禍を受けて、スピード感を持って取り組みました。現在は、教員のICT研修などに も取り組み、子どもたちに適した学びの確保と充実を図っています。成果と今後の取組を伺 います。

不登校への対応力強化について伺います。

学級集団アセスメントの取組を拡充し、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワー カーの配置と支援の強化を行いました。コロナ禍を受けて、今後一層子どもたちへの支援体 制強化が必要と考えます。成果と今後の取組を伺います。

認知症施策の総合的な推進について伺います。

早期診断・早期対応に向け、認知症診断後支援モデル事業を実施しました。コロナ禍を受 け、今後一層重要な取組になると考えます。成果と今後の取組を伺います。

地域包括ケアシステムの深化、推進について伺います。

地域の拠点として、高齢者あんしん相談センターの充実が必要です。見守り相談窓口事業 を実施しました。成果と今後の取組を伺います。

地域共生社会を目指した取組について伺います。

文京区社会福祉協議会において、複合的な課題や制度のはざまにある課題への対応を図る ために、地域づくり推進事業に対し経費を補助しました。コロナ禍を受け、今後一層重要な 取組になります。成果と今後の取組を伺います。

生活困窮者自立支援相談事業について伺います。 コロナ禍を受けて、事業の重要性が増しています。成果と今後の取組を伺います。 障害者就労支援センター事業について伺います。 コロナ禍にあっても、持続的な就労の支援が必要です。区の取組の成果と今後の予定を伺います。

がん対策の推進について伺います。 がん検診システムを活用して、要精密検査者の受診を促す取組を始めました。成果と今後の取組を伺います。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会事業について伺います。 感染対策を講じて、様々な制限の中で事業を実施しました。世界のアスリートの姿に感動が広がりました。成果を伺います。 あわせて、レガシーの継承について、成果をお伺いします。

女性・母子父子等相談体制の強化のため、相談件数の増加に伴い、婦人相談員の増員も行い、新たな組織を設置しました。相談実績と新たな組織の今後の取組を伺います。

地球温暖化対策の総合的な取組について伺います。 新エネルギー・省エネルギー設備設置費助成事業の成果を伺います。脱炭素化社会に向けて、加速が必要となっています。併せて今後の取組を伺います。

地域の犯罪防止について伺います。 通学路の防犯カメラ設置を行いました。地域の方より、評価の声をいただいています。実績と今後の取組を伺います。 以上で、総括質問を終わります。ありがとうございました。

 

(ここから順番に答弁です)

○笠松保健衛生部長

宮本委員の御質問にお答えします。 初めに、感染者への対応、支援についてのお尋ねですが、感染者への対応といたしましては、発生届の受理後、速やかに感染者に連絡を取り、症状や重症度リスクの有無など、療養 に係る必要事項を調査し、早期に入院や宿泊施設への入所調整を行ってまいりました。あわ せて、パルスオキシメーターを自宅に送付し、同居家族のPCR検査の受診調整、感染可能 期間における濃厚接触者の特定なども行ってまいりました。

都下の新規感染者数が4,000人を超える時期には、入院医療機関と宿泊療養施設がひっ迫 し、多くの患者、感染者が自宅療養となりましたが、保健師などが健康観察を行い、必要な 方には呼吸状態や全身状態の改善を図るため、昼夜を問わず酸素濃縮器の設置や往診医を手 配しました。症状が悪化した患者からの救急要請も相次ぎましたが、保健所は、都や区内の 救急隊と協力して、繰り返し入院調整を行いました。

さらに、都の設置した酸素ステーションの活用、抗体カクテル療法導入に向けた支援も行 っております。

今後も、患者、感染者の急増に備えてまいります。

また、今まで経験したことがない感染拡大への対応や、ワクチン接種の実施のために、庁 内の応援体制の構築や新たな職員の任用、人材派遣の活用、区内大学との協定による教員等 の派遣など、様々な体制を構築しながら取り組んでいるところです。今後も対応する職員の 配置については、その時々の感染状況に応じて、柔軟に対応してまいります。

次に、PCR検査及びワクチン接種体制拡大の成果についてのお尋ねですが、PCR検査 については、令和2年7月に、医師会の協力の下、区独自の検査センターを開設しました。 令和3年8月末までに2,045件の検査を実施しております。また、検査対象者が多数生じ、 定期的な検査以外の緊急の検査が必要な場合にも、迅速に対応いただき、これまで十分な検 査を行っております。

なお、開設時から令和3年8月末まで、検査に従事いただいた医師会の医師は、延べ161 人です。

また、ワクチン接種体制については、集団接種会場を最大19会場まで開設することに加え、 区内119の医療機関に御協力いただき、個別接種を実施しました。妊産婦や子どもに対する 優先接種枠の設定、武田/モデルナ社製ワクチンの接種を行う会場の設置、企業などの職域 接種での区民枠の提供など、様々な形で接種体制を拡大した結果、予約者数も含めた接種率 については、9月30日現在、1回目81.5%、2回目73.9%となり、希望する方に接種の機会 を提供できているものと考えております。

なお、本ワクチン接種については、両医師会を始めとする多くの医療従事者の方の協力の 下、進めてまいりましたが、従事された方の正確な人数は把握しておりません。

次に、3回目のワクチン接種についてのお尋ねですが、9月22日付の厚生労働省の事務連 絡により、各自治体に対し、新型コロナワクチンの3回目の追加接種についての方向性が示 されました。接種体制の整備や関係機関への周知など、3回目接種を実施するための体制整 備を適切に行い、迅速な接種ができるよう、準備を進めてまいります。

 

○竹田区民部長

次に、特別定額給付金事業の成果についてのお尋ねですが、本区の給付金の支給は、対象者の99.3%となる22万6,143人となっております。 なお、給付金の支給により、前年度に比べ可処分所得が増え、生活困窮者や家計急変者への生活の一助となったものと認識しております。

 

○大川企画政策部長

次に、デジタル化の対応についてのお尋ねですが、特別定額給付金のオ ンライン申請については、氏名や住所の誤入力や二重申請などにより、区の住民基本台帳と の照合に多くの業務量が生じたと捉えております。

このほか、コロナ禍におけるPCR検査の集計作業においても、デジタル化の遅れが課題 となりました。

行政手続のオンライン化については、区としてもマイナンバーカードの普及に合わせ、国 や示す優先的に取り組むべき手続を中心に、電子申請を積極的に導入し、区民の利便性の向 上に努めております。さらに、AIやRPAについても積極的に導入を進めております。

今後とも、国の動向を注視しながら、デジタルトランスフォーメーションを推進すること により、デジタルデバイドの解消にも留意しつつ、行政サービスのデジタル化による区民の 利便性の向上と事務の効率化を図ってまいります。

 

○竹越福祉部長

次に、基盤維持支援金についてのお尋ねですが、障害福祉サービス等事業者に対する支援実績は101事業所、5,050万円です。また、介護保険サービス事業者に対する支 給実績は211事業所、1億550万円となっております。

基盤維持支援金については、申請手続を可能な限り簡素化するとともに、使途を新型コロ ナウイルス感染症予防に要した経費として包括的な内容としたことなどから、コロナ禍にお いて、各事業者の継続的なサービス提供に寄与したものと考えております。

今後も、新型コロナウイルス感染症の状況や各サービスの利用状況等を見極めながら、適 切な事業者支援に努めてまいります。

 

○鈴木地域包括ケア推進担当部長

次に、シルバーお助け隊事業補助についてのお尋ねですが、本区では、文京区シルバー人材センターが実施する外出困難な高齢者等への買物支援に対し、 コロナ禍の外出自粛を踏まえ、昨年5月から、緊急的に助成を開始しました。前年度の利用 実績は235人に上っており、毎月20人から30人程度の安定した利用があることから、高齢者 が必要とするニーズを的確かつ迅速に捉えるとともに、地域での孤立化防止にも一定程度の 効果が発揮されているものと考えております。

さらに、本年5月から、高齢者等の御自宅を訪問して、インターネットでワクチン接種の 予約を支援するサービスを追加し、これまでに合計6人の利用があったところです。

利用者からは感謝の声をいただいており、今後とも文京区シルバー人材センターと緊密に連携しながら、高齢者等が抱えるお困り事の解決に向けた取組を推進してまいります。 

 

○木幡子ども家庭部長

次に、低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金についてのお尋ねですが、児童扶養手当を受給されている方を始めとする664世帯、903名の児童に対し9,584万 円を給付いたしました。

周知については、民生・児童委員と連携し、対応したほか、児童扶養手当の現況届送付時 に、申請案内を同封し、その後申請がなかった世帯に対して、令和2年12月の申請期間延長 時に、再度勧奨の御案内をするなど、重ねての周知を行ったところです。本年度も引き続き、 家計急変の方々に漏れなく申請をしていただくよう、従来の周知に加え、SNSの活用や子 育て事業案内ポスターを作成し、商店会へ掲示を依頼するなど、様々な方法で対応してまい ります。

 

○竹越福祉部長

次に、住居確保給付金についてのお尋ねですが、令和2年度の新規支給決定件数は466件、元年度の14件に比べ33倍となりました。執行額は1億3,956万4,000円となっ ております。相談や支給事務を行う人員体制を強化し、適切かつ迅速に支給を行っておりま す。

住居確保給付金の支給対象外となった方については、生活困窮状態に陥った個別の状況に より、各種貸付制度、国及び都の助成金等の御案内を行うとともに、必要に応じて関係機関 への窓口同行や、ハローワーク等と連携した求職活動の支援等も行っております。

今後も、生活困窮者の相談支援につながるような情報発信を、区報等で定期的に行ってま いります。

なお、コロナ禍で急激に生活状況が変化した方については、生活困窮者の尊厳を保持しな がら、個々の状況に合わせて、継続的に支えていくことにより、自立に向けた自己決定がで きるよう、伴走型の支援を進めてまいります。

 

○内野危機管理室長

次に、コロナ禍での備蓄物資の整備状況についてのお尋ねですが、令和2年度においては、各避難所にパーテーション50張とエアマット1,000枚のほか、アルコー ル消毒液や非接触型の体温計等を配備いたしました。

今年度は、避難所及び備蓄物資の拠点倉庫にパーティションを始めとする感染症対策物資 を配備しており、引き続き避難所における感染症対策に努めてまいります。

 

○大川企画政策部長

次に、特別区税等の増減要因についてのお尋ねですが、特別区税は、令和元年度のGDPが名目、実質ともに過去最大規模となり、経済状況が堅調であったことや、 納税義務者の増加などにより14億1,900万円、4.1%の増となりました。

また、特別区財政調整交付金は、平成28年度税制改正に伴う市町村民税法人分の一部国税 化等の影響により11億4,300万円、5.1%の減となりました。

地方消費税交付金については、平成30年度の税制改正に伴う地方消費税の清算基準の見直 しによる減があったものの、令和元年10月からの消費税率10%による増収などにより9億 3,400万円、19.2%の増となっております。

次に、今後の歳入見通しについてのお尋ねですが、特別区税は、人口動態の変化やふるさ と納税による影響額の増加に伴い、これまでのような堅実な伸びを期待することが難しいと 見込んでおります。

また、令和3年度は、都が徴収する特別区財政調整交付金の財源となる市町村民税法人分 について、平成28年度税制改正の影響が平年度化したことなどにより減収見込みとなってお り、特別区財政調整交付金についても、減収を想定して当初予算に計上しております。

特別区財政調整交付金及び地方消費税交付金については、今後の景気動向を見通すことが 困難であることから、依然として予断を許さない状況が続くものと認識しておりますが、特 別区財政調整交付金については、都から財源である今後の調整税等の見通しが示された場合 は、適切に補正予算へ反映してまいります。

次に、ふるさと納税の影響への対応についてのお尋ねですが、ふるさと納税の影響による 特別区民税における減収は、令和2年度は18億4,000万円と推計しており、区財政に深刻な 影響を及ぼしております。特別区長会においては、国が進める税源偏在是正の動きに対し、 緊急共同声明を発し、国に抜本的な制度見直しを求めております。

また、区としても、区報において、区長会の主張を伝えるとともに、文の京の財政状況に おいて、過剰な返礼品による制度のゆがみを指摘しているところです。今後も、様々な機会 を捉えて、抜本的な見直しを行うよう、強く主張してまいります。

 

○笠松保健衛生部長

次に、特定不妊治療に係る支援についてのお尋ねですが、区では、都の上乗せ分として、1年度当たり10万円を上限に助成しており、令和2年度の実績は192件で した。令和元年度は156件で、比較すると36件、約23%の増となっております。

また、都の制度において、本年1月以降に治療を終了した方の費用助成については、所得 制限を撤廃するなどの拡充が図られました。

なお、国は年度内に治療薬の保険適用や令和4年度から不妊治療における保険適用の範囲 拡大を予定しております。今後も、国や都の動向を注視し、引き続き特定不妊治療費に対す る支援を行ってまいります。

次に、コロナ禍における文京区版ネウボラ事業の取組についてのお尋ねですが、昨年4月 に発出された緊急事態宣言を受け、宿泊型ショートステイ、母乳相談、沐浴指導、沐浴相談、 訪問型の産後ケア相談以外の事業は中止にいたしましたが、その間、乳幼児健診の対象の方 には、御家庭の状況を電話で確認いたしました。また、ネウボラ相談などの相談事業も、電 話で実施いたしました。

その後、感染リスクや緊急性などを総合的に判断し、ネウボラ面接、ネウボラ相談、乳児 家庭全戸訪問事業は、感染対策を行った上で再開し、乳幼児健診などは予約制として、集団 指導の時間を短縮するなど、実施方法を変更して再開いたしました。また、母親学級、両親 学級は、講義内容を動画配信するとともに、定員の削減やオンライン形式での実施を再開い たしました。

サタデーパパママタイムなど、新型コロナウイルス感染症がまん延してから中止となって いる事業がありますが、今後も感染対策を行った上で、様々なメニューが、必要な時期に、 適切かつ安全に利用できるよう、導入可能な手法を検討しつつ、効果的な事業実施に努めて まいります。

次に、乳児家庭全戸訪問事業についてのお尋ねですが、昨年4月に発出された緊急事態宣 言を受けて、訪問は一時中止し、4月20日から5月末にかけて301件の御家庭に対し、助産 師が電話で乳児と御家庭の状況を確認し、相談を行いました。

その中で、感染を恐れて外出できない、身近に相談でき、サポートしてくれる人がいない など、子育てへの不安の声などに対しては、適宜指導、助言を行い、子育て支援サービスを 御案内するとともに、保健師と情報共有し、支援につなげております。

なお、昨年6月から、乳児家庭への全戸訪問は、感染対策を行った上で再開しております。 今後も、対象の全ての家庭を訪問し、子育ての不安や悩みを軽減し、安心して子育てできる よう、適切な支援に努めてまいります。

次に、オンラインを活用したサロンなどの取組についてのお尋ねですが、これまで区にお いては、保健サービスセンター、本郷支所、八千代助産院の三つの拠点で、妊産婦の方がタイムリーに相談できるネウボラ相談を、面接や電話により実施してまいりました。また、昨 年度より、都から委託を受けた東京都助産師会が、妊産婦の方を対象とした無料のオンライ ン相談を実施しております。

委員御指摘のとおり、文京区助産師会においても、生後4か月までの子を持つ母親を対象 とした無料のオンラインママサロンを実施していることは認識しておりますが、事業の支援 については、今後研究してまいります。

これからも、子育てに不安や悩みを抱える妊産婦に寄り添い、必要な支援を引き続き実施 してまいります。

 

○竹越福祉部長

次に、医療的ケア児への支援についてのお尋ねですが、区では、これまで保健、医療、障害福祉、保育、教育等の関係機関による庁内検討会を開催し、組織横断的な医 療的ケア児支援体制の整備に取り組み、保育園等での受入れを実施してまいりました。

本年度は、更なる支援体制の整備を進めるため、従来の庁内関係部署に加え、学識経験者、 医療関係者や障害福祉事業者等も交えた医療的ケア児支援連絡会を設置いたしました。今後 は、本年9月に施行された医療的ケア児及びその家庭に対する支援に関する法律の基本理念 を踏まえ、連絡会を通した関係機関との緊密な連携を図るほか、受入れ施設の体制整備や人 材確保等の取組を行ってまいります。

 

○木幡子ども家庭部長

次に、育児支援ヘルパー派遣事業についてのお尋ねですが、令和2年度は39家庭に918回のヘルパー派遣を実施いたしました。育児、家事の面から支援すること により、養育者の休憩や育児に対する不安の軽減を図り、育児の環境を整え、虐待の未然防 止等につながっていると考えております。

また、ヘルパー派遣に当たっては、対象となる家庭との関係を大切にしながら、丁寧な対 応を心掛けております。

コロナ禍で、家庭の状況が捉えづらくなり、様々な理由からヘルパーの派遣を受け入れな い家庭もあることを踏まえ、今後も家庭相談員の相談対応力を高め、保護者の不安や悩みに 寄り添いながら、それぞれの家庭が必要とする支援につながるよう、尽力してまいります。

 

○竹越福祉部長

次に、生活困窮世帯への学習支援事業についてのお尋ねですが、小・中学生を対象とした学習支援事業については、昨年度の登録者数は67人、延べ参加者数は2,580人でした。また、高校生世代等学習支援事業については、登録者数18人、延べ参加者数は906 人でした。

緊急事態宣言中には、オンデマンド授業などを活用し、学習機会の確保を行ってまいりま した。

なお、高校生世代等学習支援事業については、利用希望者が増加していることから、本年 度より定員を20名から25名まで拡充しております。今後とも、学習支援事業のニーズ等を把 握し、適切に支援を行ってまいります。

 

○八木教育推進部長

次に、奨学資金給付事業、塾代等助成事業についてのお尋ねですが、給付や助成を受けた保護者や生徒からは、学習、進学への意欲が向上した、家計のやりくりの 負担が軽減され、子どもの教育に役立つものへの支出を増やすことができた等の意見を伺っ ていることから、一定の効果が出ているものと考えております。

今後も、引き続き子どもたちの学習機会を確保するために、奨学資金給付事業等を継続し、 周知を図ってまいります。

 

○木幡子ども家庭部長

次に、子ども宅食プロジェクトについてのお尋ねですが、令和2年度は、延べ5,049世帯に対し、年6回の定期便に臨時便を加え、計8回の配送を行いました。 令和2年5月には、臨時の緊急支援としてクオカードやお米券を、さらに本年3月には、国 の補助金を活用して、お祝いにふさわしい食材を購入し、進級・進学おめでとう臨時便を配 送しました。また、8月と12月の定期配送においては、季節感のある食品を追加購入するな ど、増量便としてお届けしたところです。

今後も、コロナ禍の影響を受けやすく、経済的に厳しい子育て世帯を食から支援するため、 コンソーシアムと連携し、子ども宅食プロジェクトを実施してまいります。

 

○八木教育推進部長

次に、教育情報ネットワーク環境整備についてのお尋ねですが、本年度より、1人1台のタブレット端末を活用した協働的な学びや、学習支援ソフトを活用した個 別学習を進めております。

今後については、ハイブリッド授業を始めとする従来の指導方法にとらわれない新しい授 業スタイルを創造することを通して、より充実した協働的な学びの実現を図ってまいります。 加えて、コロナ禍における臨時休業等の場合だけでなく、感染症への不安を理由に、児童・生徒が登校を控える場合にも、自宅からオンラインで授業を受けられるよう、日々の教 育活動で実践を進め、子どもたちの学びの保障に努めてまいります。

次に、不登校への対応についてのお尋ねですが、不登校予防プロジェクトでは、学級集団 アセスメントの対象学年を拡充しており、学級における児童・生徒の状況を、担任だけでな く、学校全体として捉えることで、学級経営に対する教員の意識を高めることにつながって いるものと認識しております。

また、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの増員及び配置校の追加に より、不登校対応に関する校内委員会において、教員と情報を共有するほか、必要なアセス メントや手だての検討をするなど、日頃から相談しやすい環境づくりに努め、連携体制の構 築が進んでおります。

今後も、引き続きこれらの取組を強化し、不登校児童・生徒の状況に応じて、一人一人に 丁寧な対応を行ってまいります。

 

○鈴木地域包括ケア推進担当部長

次に、認知症診断後支援モデル事業についてのお尋ねですが、本区では、認知症の更なる普及啓発を図るため、区内民間事業者の協力を得ながら、年 3回、自宅でできる脳の健康度測定を実施するとともに、区民センターにおいても、医師や 健康運動指導士などによるミニ講座を実施し、延べ135人の方々に御参加いただいたところ です。参加者には、認知症の改善につながるアプリの紹介やDVDの配付を行い、一定程度 生活習慣の改善につながったものと考えております。

さらに、認知症の疑いのある本人やその家族を支援するため、区内の認知症サポート医や 訪問看護ステーションと連携しながら、昨年度は9人を対象に、医療機関への同行受診や介 護者への相談支援を実施しました。

今後とも、認知症と向き合う本人やその家族の視点に十分配慮しながら、今年度新たに実 施した認知症検診事業などを通じ、安心して暮らし続けることができる地域づくりに取り組 んでまいります。

次に、高齢者見守り相談窓口事業についてのお尋ねですが、昨年7月から事業を開始し、 本年8月末までに個別訪問を約3,900件、電話相談等は約4,800件を実施して、高齢者の生活 実態の把握に取り組んだところです。

戸別訪問のうち、約1割については、継続的な見守りや介護保険サービスの利用などにつ ながっており、支援を必要とする高齢者の早期発見、早期対応の強化が図られているものと考えております。 また、区民の方々からも、「声かけや見守りが本人や家族の安心につながっている」、「訪問時に相談できるので助かっている」といった声を多くいただいているところです。 今後とも、高齢者が抱える課題を的確に捉えながら、民生委員・児童委員や社会福祉協議 会、さらにはハートフルネットワーク協力機関などと連携し、地域ぐるみでの見守りの強化に取り組んでまいります。

 

○竹越福祉部長

次に、地域づくり推進事業についてのお尋ねですが、社会福祉協議会における地域の居場所づくりについては、既存5団体に加え、新たに2団体が運営を開始していま す。コロナ禍においても、地域で気軽に利用できる居場所や相談等のニーズにできる限り応 えるため、地域福祉コーディネーターが運営団体との調整を図り、居場所の感染症対策や人 数を制限した開放、テイクアウト型による子ども食堂の実施等、地域に根づいた居場所の運 営ができるよう、支援を行っております。

今後も、感染症対策を踏まえつつ、運営の中で支障が生じた事案の解決に向けた諸調整を 行い、既存団体が順調に運営できるよう、社会福祉協議会の取組をサポートしてまいります。 次に、生活困窮者自立相談支援事業についてのお尋ねですが、昨年度、新規相談受付件数は1,111件となっており、前年度の245件を大幅に上回っております。自立相談支援機関の相 談員を増員し、コロナ禍における事業の手続支援や、就労、家計等に関わる相談等を行って おります。引き続き、個々の状況に応じた効果的な支援を行い、社会的、経済的に自立した 生活を送ることができるように、おのおのの状況に応じた総合的かつ継続的な伴走型の支援 を行ってまいります。

次に、障害者就労支援センター事業についてのお尋ねですが、障害者就労支援センターで は、新型コロナウイルス感染症の影響による生活様式や就業形態の変化に伴い、電話相談体 制を強化し、事業や会議のオンライン化を推進するなどの工夫を重ね、コロナ禍においても 継続して支援を実施してまいりました。その結果、令和2年度には41人の方を新規就労につ なげることができました。

引き続き、障害者就労への新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、労働、医療、生活 分野等の関係機関と連携を一層深め、社会情勢に応じた支援に取り組んでまいります。

 

○笠松保健衛生部長

次に、がん検診システムを活用して、要精密検査者の受診を促す取組についてのお尋ねですが、この取組は、区の各検診医療機関から要精密検査と判定を受けた方 の情報を、がん検診システムに取り込むことで、精密検査未受診者を抽出し、個別の受診勧 奨が可能になったもので、令和2年度から精密検査未受診者への受診勧奨通知の送付を開始 しております。

今後も、本システムを活用して、要精密検査者の受診率の向上に努め、区民のがんによる 死亡率の低下につながる取組を推進してまいります。

 

○髙橋アカデミー推進部長

次に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会関連事業の成果についてのお尋ねですが、令和2年度は、シビックセンターや周辺の公園、道路等を 大会公式ロゴ等で装飾するシティドレッシングを実施することにより、祝祭感を創出し、区 内の大会気運を盛り上げました。

また、大会関連事業に従事する文の京2020ボランティアの募集については、区内大学の学 生、消防団を始め、幅広い世代からの多数の応募により、最終的に600人を超える方の登録 をいただきました。

高まった気運の中で行われた大会は、無観客で開催されましたが、区へ多くの応援メッセ ージが寄せられるなど、多くの感動が生まれました。

次に、レガシーの継承の成果についてのお尋ねですが、ホストタウン事業では、ドイツに ついて学ぶ語学講座や文化講座の実施に加え、パラリンピック難民選手団と未来を担う子ど もたちとのオンライン交流や応援イベントを行い、大会のレガシーとなる障害者スポーツの 普及促進とともに、区民の国際理解を深めることができました。今後も、これらの成果を一 過性とすることなく、大会のレガシーとして継承する取組を進めてまいります。

 

○竹越福祉部長

次に、女性・母子父子の相談についてのお尋ねですが、令和2年度については、延べ相談件数が1万2,253件で、前年度に比べ4割程度増加しております。 今年度より、母子父子・女性支援担当を新設しており、新型コロナウイルス感染症の影響 により相談者の抱える問題が複雑化する中、婦人相談員と母子父子自立支援員が、双方の専門性を生かして、引き続き相談者のニーズに寄り添った支援を行ってまいります。

 

○鵜沼資源環境部長

次に、新エネルギー・省エネルギー設備設置費助成事業についてのお尋ねですが、令和2年度の実績は、太陽光発電システムが19件、家庭用燃料電池が44件、家庭用蓄電システムが27件、雨水タンクが1件で、令和2年度から開始した断熱窓については10 件の助成をいたしました。

今後も、区民ニーズを踏まえながら、助成対象設備について見直しを行い、家庭部門にお ける地球温暖化対策を進めてまいります。

 

○八木教育推進部長

最後に、通学路の防犯カメラ設置についてのお尋ねですが、令和2年度は、警察、PTA、町会等に御協力をいただき、通学路に計30台設置いたしました。令和3 年度は10台の設置を予定しております。

今後も、警察を始めとする関係機関と協議し、必要度の高い通学路には、防犯カメラの設 置を検討してまいります。

(以上で答弁は終わりです)

○宮本委員 御丁寧に御答弁いただきまして、大変ありがとうございました。

詳細につきましては、同僚委員とともに、款別の質疑のときに議論をさせていただきます。 ありがとうございました。

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